アラサー世代が知っておきたい抜け毛に関する基礎知識

日本人の髪は欧米人に比べ、一般的に太くてまっすぐだといわれています。といっても個人差があり、一生涯、同じ太さというわけでもありません。目安として、男性は20歳、女性は25歳をピークにして、徐々に細くなっていきます。

そして、たいていの人はアラサーになると、変化が現れるのです。今回は私の体験談を交えながら、抜け毛について考察します。

頭皮を強く刺激するのが好きだった

抜け毛や薄毛が気になり始めたアラサー世代の方なら、一度ならずとも頭皮をたたいた経験があるのではないでしょうか。一般に、頭皮を刺激すれば、血行が促進され、育毛効果が期待できると信じられているからです。しかし、やみくもにゴンゴンたたくことが、果たしてどれほどの効果があるかは疑問です。

刺激を与えるという意味では、最近は頭皮に電流を流すことで、血流を促進する育毛器具なども出回っています。育毛効果云々という前に、電気の種類によっては、皮膚組織などへの悪影響も及ぼしかねないので、安易に用いるべきではないと思います。

それに、頭皮に電流を流すことは表面的なもので、体の内部から血行を促進するとはいえず、大きな効果が期待できるとは思えません。ただ、頭皮に刺激を与えること自体は髪の健康にとって良いはずです。私自信、若いころからシャンプーの際のマッサージやブラッシングは、かなりキツめが好きで、痛いくらいが気持ち良かったです。

行きつけの美容室でも、「もっと強く洗髪してください」と注文することがしばしばでした。美容師さんから「剣山でも使いましょうか?」と、冗談が飛び出すほどです。自分でブラッシングする際も先が尖ったブラシを用いて、思い切り強い刺激を与えていました。

ここで注意していだだきたいのは、頭皮の健康状態には個人差があり、誰でも強く刺激すれば良いというわけではありません。

頭皮の健康度は自分でチェックできる

私の場合は、早めの予防策が功を奏して、これまで大きな髪のトラブルを経験したことがなく、今は頭皮も髪も至って健康な状態です。

しかし、すでに抜け毛が気になりだすなど、何らかの症状が現れているアラサー世代は要注意です。強い刺激はかえって頭皮にダメージを与えることになりかねません。ときには、毛細血管を傷つけてしまうこともあり、これでは毛根への栄養補給ができず、まったく逆効果です。

まずは、自分の頭皮の健康度をチェックしてみましょう。指の腹で頭皮を強く押してみたとき、弾力性があって、厚みを感じられるようならOKです。私も自分の頭皮を押してみると、ゴムのように弾力性があり、強い刺激を与えるほど気持ちいいと感じます。

これは、血液がスムーズに流れ、神経がきちんと働いている証拠です。

頭皮が不健康なときの症状

頭皮を指で押したとき、痛いと感じるようなら要注意です。リンパがスムーズに流れず、老廃物や疲労物質を含んだドロドロの血液が頭皮に滞っている可能性があります。また、頭皮が厚いといっても弾力性がなく、ただ硬いだけというのは抜け毛や薄毛になりやすい不健康な状態だといえます。

頭皮が硬く圧迫されていると、毛乳頭、毛母細胞、毛細血管などの皮下組織が正常に機能することができなくなるからです。逆に、ブヨブヨしているのも、危険な状態に含まれます。血液やリンパの流れが正常に機能せず、新陳代謝が著しく損なわれている証拠です。

こうなると末梢神経がマヒし、痛みも感じにくくなります。ブラッシングは頭皮の健康状態によっても加減すべきですが、一般的には毛先の丸いもの、あるいは猪毛(ちょもう)など、髪にやさしいブラシを選び、自分が気持ちいいと感じる強さで頭皮全体をまんべんなくブラッシングすればよいのです。

整髪料の影響

サッカー少年で、おしゃれには無頓着だった私も、さすがに社会人になると身だしなみにも気をつかうようになり、髪型もその一つでした。特に、接客業をしていた私は、清潔な印象を心がけようと、整髪料をつけるようになりました。

ところが、整髪料をつけ始めたら、どうも抜け毛が多いような気がしてなりません。髪の量は人一倍豊富でしたから、見た目にはまったくわかりません。健康な髪の人でも、朝起きたときに枕に髪がついていたり、シャンプーや髪をセットするとき髪が抜けたりするというのはよくあることです。

通常、数十本程度の抜け毛は、自然なことだといわれています。しかし、何らかの原因によって髪の毛のサイクルが乱れると、数十本にとどまらず、抜け毛が進行していきます。私は実際に数えてみたわけではありませんが、整髪料をつけると、シャンプーのときや髪をセットするときに抜け毛が以前より多いことに気づいたのです。

そこで、試しにしばらく整髪料をつけずにいると、抜け毛はさほど気にならなくなりました。「参考資料|発毛治療名古屋|名古屋中央クリニック

しかし、再びつけ始めると、また抜け毛が増えるのです。その差は、歴然としていました。

抜け毛を増やさない整髪料のつけ方

男性の多くは何らかの整髪料をつけているでしょうし、私も髪を後方になでつけるヘアスタイルですから、本当は整髪料が欠かせないのです。そこで、整髪料のつけ方を工夫してみることにしました。整髪料をつける目的は、髪の保護や髪型をコントロールすることであり、頭皮のケアとはまったく別ものです。

ところが、つい髪と頭皮を一緒にしがちで、全体につけてしまいます。私もかつてはそうでした。整髪料やムースなどのセット剤には、油分が含まれていることが多く、頭皮にとって余分な脂は抜け毛の原因になりやすいのです。

頭皮は本来、清潔に保つのがケアの基本です。整髪料が頭皮につくと、毛穴が詰まったり、汚れや雑菌がつきやすくなったりして、清潔な状態が保てなくなります。「整髪料はつけたい。でも抜け毛は避けたい」その両方を満たす解決策が“毛先だけ”につけることでした。

この方法を思いついてからは、自然な抜け毛の範囲を超えることはなくなり、いまだに豊かな髪を維持できています。

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美容師に相談してみよう

髪のプロである美容師は、毎日いろんな人の髪に直接触れています。特に、常連客に対しては、髪の状態の変化を本人以上に把握しているともいえるでしょう。実際に、髪に関する悩みを相談されることも多いそうです。それだけに美容師は髪に関する知識も豊富で、ヘアケア情報にも敏感にアンテナを張りめぐらせています。

抜け毛や薄毛で悩んでいる方は、恥ずかしがらずに美容師に話してみると、症状に合った改善策を教えてくれるかもしれませんよ。